ギター音楽祭オーディション。

札幌近郊のクラシックギター愛好家にとって一番の晴れ舞台と言っても過言ではない

札幌市民芸術祭「ギター音楽祭」のオーディションが16日(日)行われました。

 

小中学生6名と一般28名、計34名。ここ3、4年と比べると挑戦者が増えましたね。

小中学生と重奏は、小学生部門、中学生部門、重奏部門は演奏のクオリティが審査員の定める基準を満たしていれば合格。

つまり応募人数と水準によっては全員合格もあり得ます。

一般部門は 小中学生であっても挑戦可能ですが、札幌市民芸術祭奨励賞、大賞の選考対象となり

例年6~8枠程度を争う形になりますので、レベル的にも倍率的にも厳しい戦いになります。

 

僕も過去にこの音楽祭で大賞を取るまでに初挑戦から10年程度掛かりました。

ちなみに大賞は今世紀以降で僕を含めて2人しか受賞していません。

大賞の水準には全国規模のコンクール上位入賞程度の演奏力が求められますので

プロを目指す若手、既にプロとして活躍している人にとっては、札幌で取れる大きなタイトルの1つと位置付けされています。

 

僕の教室からは4名が挑戦。

倉田拓郎くん、稲葉有亮くんの2名が合格しました。

2人共社会人ですが、今年度は職場の異動もあり、かなり多忙な日々の中

何とかオーディションに向けて練習を進めていきました。

例年と比べて自信が無さげでしたが、倉田くんは5年連続。稲葉くんは4年連続の合格です。

過去の奨励賞受賞者やプロギタリストが落選するハイレベルな争いの中での立派な合格です。

 

しかし彼等が落選した奨励賞受賞者やプロギタリストより上のレベルの奏者になれたわけではありません。

オーディションは5分間の1発勝負。何が起こるか解らないのです。実力通りの結果となるとは限らない。

今回合格した2人も、9月の本番で、または来年以降のオーディションで「捲られる」可能性があるのです。

9月の本番まで一緒に悔いのない準備をしていきたいと思います。

 

惜しくも落選してしまった2名。先日のギターの祭典でも中々良い演奏を披露してくれた、北山くん、腰丸くん。

まだ僕に習い始めて日が浅いのですが、確かな成長を感じさせてくれる準備期間でした。

以前にも似たようなことを書いていると思うのですが、コンクールって結果も勿論大切なのですが、その過程が一番大事なのです。

目標に向かって一生懸命練習して上達したことこそが、一番の成果、結果だと僕は考えています。

そこに目を向けられずに、落ちたことにしか目が行かず「受けなければ良かった…」と思ってしまう人は今一度

ご自分と楽器の在り方について考えていただきたいですし、もしご自分のお子さんが落選して落ち込んでいたなら

「凄く頑張ったね、上手くなったね!」と褒めてあげてください。

それが出来ずに落ち込んでしまうタイプの人は、あまりコンクールを受ける事はおススメしません。

コンクールを受ける前に、何故コンクールを受けたいのか、受けるのか、をよくよく熟孝なさってください。

勿論落ちることは悔しいですし、一時的に落ち込むのは仕方がないことですけどね。でも前を向くことが最も重要です。

 

その意味では2人共、過程の積み重ねから上達を感じられたからこそ、落選してもしっかり前を向いていますし

素晴らしいオーディションになったと思います。

 

勿論この結果は悔しくないはずがないですが、良い方向に転べば合格の可能性があった状態に仕上がっていましたし

倉田くんや稲葉くんがプレッシャーを感じる水準にも達していました。

近年はオーディション合格者がある程度固定化し、常連が増えている中に割って入り合格するのは容易ではありませんが

それも糧にして今後も励んでくれると信じています。

 

 

吉住和倫

 

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