今日の新規の生徒さんはマンドロンチェロ。
先日アルテ国際マンドリンコンクールB部門で最高位入賞を獲得した石窪くんの後輩Iくん。
今は大学2年生で大学のサークルのマンドロンチェロパートの次期首席奏者です。
大学以前はクラシックギターの経験があるということで、左手の形はかなり綺麗で達者なテクニックを持っています。
体験レッスン時に持ってきたマンドロンチェロ独奏曲、Inspiration II/加賀城浩光も近年の学生奏者としてはとても高いクオリティで
技術が追い付かずに弾けてない箇所も特に見当たらず、最初から音楽表現重視のレッスンで進めることが出来ました。
この曲は過去にアルテ国際マンドリンコンクールチェロ部門で優勝した市川くんにレッスンしていた曲でもあり
僕にとっても中々思い出深い曲だったりします。動画は市川くんがコンクールで優勝した時のものです。
Iくんは技術力もさることながら音感も中々良いのですが…1つ問題がありまして。
彼は五線譜を通常とは違う感覚で読んでいます。書いてある音を「ドレミ」ではなく押さえるフレットの位置に直接脳内変換していて
ドレミやCDEなどの階名では読めないというとてもある意味希少(?)な感覚の持ち主です。
何とかなっている…とも言えるのですが、やはり階名の概念が無い為、和音になると譜読みミスが散見する
運指の可能性に対する視野が狭くなる、音楽の構造の把握が困難で適切な音楽表現が見つけにくくなる、等の弊害が生まれています。
今までに五線譜が読めず、TAB譜でギター弾いてきました、という方は僕の教室にも多数来ていただいてるのですが
やはり「無伴奏の独奏」を高いレベルで演奏するにはTAB譜では困難です。ロックやジャズなら何とかなるのは理解できますが
メロディ、和声、リズムを自分1人で担当し、運指も複雑になるギター、マンドリン属の独奏においては五線譜の読譜力は
必須と言えるでしょう。
その為にも質の高いクラシック音楽の作品に触れて、音楽の読み取り方を学んでいく必要があります。
しかしマンドロンチェロの為に書かれた作品ってとても少ないんですよね。しかもきちんとクラシックの語法で
書かれた質の高いものとなると、ほとんど見当たらないと言っても良いくらい。
ですので擦弦のチェロのソロ曲に挑むことになります。
マンドリンでもヴァイオリンの独奏曲やコンチェルトを弾いたりしますのでそれと同じ感覚ですね。
というワケでIくんにも擦弦のチェロの為に書かれた作品に挑んでもらいます。
来年どこかでお披露目出来るようにしたいな、と考えていますので、彼とおぼしき人物を見かけたら是非聴いてくださいね。
吉住和倫
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